正社員!?派遣社員!?あなたにとってベストな働き方は!?
「最も安定した働き方」、「給料が高い」、「手厚い待遇」。これは多くの方が抱いている正社員のイメージかと思います。
日本ではこれまで長い間、正社員という働き方が最も恵まれた雇用形態で、誰もが目指す働き方でした。一昔前までは終身雇用の色合いが強かった正社員では一度雇ってもらえれば生涯、面倒をみてもらえるのですから、魅力的なのは当然です。
ただ、そんな終身雇用の時代も終わり、企業が成長できなくなったために人員を削減しなければならなくなり、無理やりクビにされるような人もいます。そんな中現れたのが派遣社員です。
派遣社員といえば「不安定」「企業にいいように使い捨てにされる」という不のイメージを持っている方もいると思いますが、中には積極的に派遣という働き方を選んでいる方もいます。
それは「正社員」にも「派遣」にもそれぞれメリット・デメリットが存在し、派遣という働き方にメリットを感じる方もいるからです。では派遣のメリット・デメリットとはいったい何なのでしょうか。一度、正社員のメリット・デメリットと共にまとめてみたいと思います。
Contents
正社員のメリット・デメリット
正社員のメリット
- 他の労働契約と違い無期限雇用
- 他の労働契約よりも待遇(特別賞与など)が手厚い(スキルアップに投資してくれることも)
- 長く働くほど給与が上がる傾向にある
正社員の大きなメリットは大きく分けて上記の3つに分けられます。
先ず、他の働き方(パートや派遣)などと違い契約期間がありません。なので途中で契約満了としてクビにされることはありません。他にも「ボーナス」などの特別賞与が出たりして「待遇がいい」、基本的には働く期間が長くなればなるほど「給料があがる」傾向にあるなど、給与の面で大きなメリットのある働き方といえるでしょう。
正社員のデメリット
- 転勤、異動、残業など、自分にとって不利益となる会社の方針にも従わなければならない
これが唯一にして最大のデメリットではないでしょうか。要するに「手厚い待遇だけど、その分こっちの言うことは聞いてね」ということです。
もちろん、これは原則として「法律の範囲内で」という一言が付け加えられるべきところですが、現在の労働法は抜け穴だらけで、結果的に「ブラック企業」や「サービス残業」、「過度の長時間労働」などによる被害を受ける正社員の方が後を絶ちません。
中にはそのような企業で働いた結果、うつ病になり自殺する人もいるぐらいです。こう考えるとたった一つとはいえ、決して軽視することのできないデメリットといえるでしょう。
派遣のメリット・デメリット
派遣のメリット
- プライベートの時間を確保しやすい(1日数時間だけなどの柔軟な働き方が可能)
- サービス残業が無い。残業代がしっかり出る(あったら法律違反)
- 転勤や異動が無く、職務内容も限定されている。自分の望む働き方を実現しやすい
- (正社員よりも低いものの)パートやバイトと比べ時給が高い傾向にある
派遣の最大のメリットはなんといっても自分の時間を確保しやすい働き方ができるということでしょう。残業が全く無い場合もありますが(契約内容による)、大体の場合はたとえ残業をしたとしても正社員よりも短くなる傾向にあります。
企業は派遣社員に対して残業代を必ず払わなければならず(派遣社員のサービス残業は違法)、人件費を抑えるために派遣社員の残業時間を抑えようとするためです。また、「1日6時間だけ」などの働き方が可能な求人もあったりします。
そして、転勤や異動といった正社員のデメリットについても無いため、「自分のライフスタイルに合わせた働き方」をしやすいといえます。
派遣のデメリット
- (正社員よりも)雇用が不安定(2015年より改善傾向にあり)
- 正社員のように長く働いていても給料が上がらない。賞与が無い
- 社会的な信用が低い(まだまだキャリアとして認めてもらえていない感も)
- 重要な仕事を任されない傾向にある
派遣のデメリットはやはり不安定な働き方ということでしょう。派遣には契約期間が存在するため、企業が契約を更新しなければクビにされたのと同じです。
また正社員のように特別賞与(ボーナス)がなかったり、働く期間では給料が変わらなかったり、収入面で正社員には大きく劣ります。特に40代、50代になるにつれてその差は大きく開くことになるでしょう。
おまけに派遣社員として働いていても転職のときに経歴として認められないケースもあったりします。派遣社員は期間限定で仕事を行うため「重要な仕事を任せてもらえない」ので、そのように考えている企業が多いのかもしれません。(専門的な技術を買われて派遣として働いていたり、長く働いているうちに正社員と変わらないぐらいの仕事を任せられるケースもあります)
本当にあなたにとってのベストな働き方って?
この他にも契約社員(契約の期間が決められた正社員のようなイメージ)、や限定正社員(正社員のデメリットである転勤、残業、異動などが制限されている。変わりに待遇は低め)などの働き方があり、特に限定正社員については高齢化により地方からの働き手が減ることが危惧されているなか、「地方の人員確保に効果的」として注目を集めています。
そして、それぞれの働き方のメリット・デメリットを見ていただいたら分るとおり、「それぞれの人の状況によっておススメできる働き方は違う」といえます。
例えば、テレビを見ていると派遣で働いている人はみんな正社員になりたがっているといようなイメージを受けることもありますが、派遣社員の中には積極的に派遣という働き方を選んでいる人もいることが書籍、『派遣時代~派遣が変わる、派遣が変える』で紹介されています。
人生において長期的なプランを達成するために、派遣という働き方を選んでいる労働者もいます。私が出会った派遣社員の中には、留学を目指して英語を勉強しながら資金をためている人、あるいは趣味などのプライベート活動を重視する人、地域活動に熱心に取り組む人、ミュージシャンとしてプロでビューを目指し、バンド活動と両立している人など、いろいろな人がいるのです。
積極型派遣労働者は、プライベートにも仕事にも熱心に取り組んでいる人が多いので、派遣会社としても、それに併せた就業を支援できます。これが派遣会社のマッチング機能です。もちろん、目標を達成したり夢が叶ったりして、派遣という働き方から離れるとしても、その巣立ちを笑顔で見送っています。
第3章 派遣社員と正社員はここが違う / 積極型派遣労働者をマッチング より引用
ここで出てくる「積極型派遣労働者」とは先ほどお伝えしたような積極的に派遣という働き方を選んでいる人たちのことで、書籍内では逆に正社員になりたくてもなれないから派遣社員という生き方を選んでいる、「消極型派遣労働者」という言葉も登場します。(著者によるとその割合は「ほぼ同数」とのことです)
もちろん、派遣社員として10年、20年と働き続け何の職能も身につけずに過ごせば将来的に困ったことにもなるかもしれません。ただ、派遣社員でも「派遣社員として働きながら直近の生活費を稼ぎ、プライベートの時間でスキルアップを目指す!」など、戦略的に人生をプランを建てているなら派遣という働き方は非常に意味のある働き方です。
これは個人的な意見ですが、最近の長時間労働における過労死や、法律的に解雇できない正社員を企業が無理やり辞めさせようとした「追い出し部屋」といった問題を見ていると「本当にどんな状況でも正社員にしがみつくべきなのか」と非常に疑問に思います。
20代、30代から勤めてきた会社が40代、50代にもなって経営状態が急に悪くなり、自分が人員削減の対象リストに上がった結果クビになり、何も考えずに働いてきたため他企業にアピールできるスキルも何も持っていない。これが一番危険なのではないでしょうか。
大切なのは雇用形態ではなくあなたの「キャリア」
高度経済成長期のような頑張ってさえいれば成果は上がる、好景気が経済を支える時代とは違い、企業がどれだけ頑張っても成果が出せない可能性のある時代です。どんな会社がいつ潰れてもおかしありません。
なら、たとえ自分の会社が潰れてしまったとしても転職できるだけの力を身につけておくのが、これからの時代、「一番の安定」なのではと思います。他人が持っていないような自分だけのキャリアを築くということでしょうか。
このようなキャリアを築くのに大切なのは「正社員」「派遣社員」という雇用形態に気を取られるのではなく、自分が将来、どのようなキャリアをどのような働きかたで実現していきたいかしっかりとビジョンを描くということではないかと思います。
転職力を上げるために必要なスキルについては上記のページでも触れていますので、参考にしていただければと思います。
では以上です。失礼します。