【1年目 or 2年目??】 保育士が転職を考えるのにベストなタイミング!?
保育士として5年ほど働き、結婚して退職した元保育士です。
保育園に就職したものの、「今の職場を辞めようか悩んでいる…」と話す保育士さんの声が私の周りでもたびたび聞かれます。
過去の職場では保育士一年目の方に「今辞めるべきか、まだ続けた方が良いのかどう思いますか?」と意見を求められることもあります。
意見を求めたところで最終的に決断するのは本人ですが、その言葉の中には‘‘どれくらいまで今の職場にいた方がいいか‘‘という意味も含まれています。
確かに、保育士不足が問題となっているぐらいですから、しようと思えば1年目からでも転職は可能でしょう。
ですが一つの職場で長く勤めておいたほうが後々より有利な条件で転職しやすいのも事実です。(すぐ辞めたら「うちに転職してもすぐ辞められるのでは…」と採用する側に不安感をもたれますからね)
でははたして何年ぐらい勤めてから転職した方が良いのか。今回はそれについてお話ししたいと思います。
Contents
保育士が一番有利に転職できるのは5年目!?
一般的な会社では入社3年目までは働いた方が良いと言われますが、保育園を辞める保育士は早ければ1年目で退職する人もいます。
ほぼ女社会といってもいいので、一年目でほとんど人間関係ができあがってしまい、うまく人間関係を築くことができなければそこで辞める人もいます。
しかし、わたしが働いていたころに感じたのは、実際に辞める保育士の多くが2~3年目というように感じました。
2~3年目の保育士というのは職場環境にも慣れ、1年目に比べて仕事がしやすくなったころで、二年目に入りボーナスも半年ごとにもらえるようになった時期です。
その一方で保育園という職場における様々な問題、例えば上司の能力の低さ・保育方針の矛盾・雇用内容・業務内容の多さなどに目がいき、見切りをつけて辞めてしまう人が非常に多いと感じました。
また、保育士2~3年目ともなると年齢的に結婚・出産により辞める人もいます。 保育園も3年目以降の退職であれば、だいたいのところで退職金も出ますし、保育士としての大まかな保育スキルや経験も得られていますからね。なので、一つの区切りとして3年目に退職するのも一つの選択肢だと思います。
しかし、実際に他の保育園への転職を考えるのであれば5年目以降が一番望ましいです。
何故なら、新人保育士ばかりが集まりやすい新規園であれば、2~3年経験のある保育士でもたしかに雇用したいと思いますが、そもそも保育士業界全体で5年目の中堅保育士の数はかなり少なく、のどから手が出るほど優先的に欲しい人材だからです。
5年以上のキャリアのある保育士ともなると、保育や保護者対応のスキルの高さだけでなく、後輩の育成(マネジメント)等多くの役割を担っており、場合によっては主任を任される保育園もあります。
また保育士の場合、ほとんどの保育園で経験給という手当があり、それなりの額がつくのも5年目以降です。 なので結論として、保育士が最高の条件で転職をしたいのであれば、ベストなのは5年目以降ということです。
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1年目も2年目も関係ない?こんな職場はすぐ辞めてしまえ!
ただ、「いまの保育園で5年ももたない!」と思った人も多いのではないかと思います。
- 7時~夕方8時まで働かされる
- もちろん残業代なんて一切出ない
- あまった仕事は持ちかえり、土日なんてないのも当たり前
- 人間関係が最悪。陰口なんてふつうで子供の前で言い合いも…
保育園で働いていると本当に意識して数えたらキリがないほど不満って出てくるものですが、「でもこれって他の園でも普通では…?」とふと疑問に思ってしまいますよね。
だって、もし他の園でも今の自分の園とたいして変わらない状況なら、転職したところで状況は改善されないわけですし。そう考えるとなにを基準に今の保育園を辞めるか、続けるべきか分からなくなってしまいそうです。
そこで、「こんな園だったら迷わずに退職するべき」という一つの指標として挙げられるのが、やはり人間関係です。人間関係が悪いのであれば、その園は辞めるべきです。
では、そもそもなぜ人間関係が、どのように悪かったら辞めるべきなんでしょうか。ここで一つ、紹介しておきたい本がこちら。
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『心が折れる職場』という書籍ですが、こちらの書籍では「業界や職種など関係なく、心を病んでしまう人を生み出す職場にはある共通点がある」と紹介されています。そのうちの1つが「いざという時にサポートしてくれる人間関係があるか」どうかです。
たとえば、保育士にとって大きなストレスの存在となるのが”モンスターペアレント”ですが、保育士と同じく、ときにモンスターペアレントに対して対処しなければならない仕事が教師です。
教師の中にはメンタル不調を訴える人がかなり多く存在します。ちょっと想像してみればわかりますが、保育園で預かっているような子供以上にワンパクな子供たちを10人~20人と相手にしなければなりません。
もちろん、保育士には保育士の大変な部分がありますが教師もまたしかり。かかえるストレスは相当なものです。
しかし、実は教師がメンタル不調をうったえる原因はモンスターペアレントの存在などではなく、直接の原因は支えてくれる人間関係が職場にあるかどうかということが説明されています。
現場の教師が問題に直面した際には、「私は今、こんなことで困っています」と、学年主任や教頭など、上司にあたる人に相談をします。
そのとき、「それでは一緒に解決策を考えていこう」、さらには解決策を提示しても事態が好転しない場合、「今度は自分も一緒に行くようにする」という反応が得られていれば、不調にはつながりにくくなります。
それが、「あなたのやり方が悪い」とか「もう1回いってこい。それがあなたの仕事だ」というように、突き放されてしまうと、行き場がなくなり不調になってしまう。そういうケースがかなりの割合で目立つのです。
こうした「任されっぱなし」「放りっぱなし」で、完全に一人で対処しなければいけない状況に追い込まれることがメンタル不調になってしまう直接的な原因になっています。
『心が折れる職場』 一人でトラブル対処にあたる職業は要注意 より引用
「あ、これ私の先輩(主任)のことだ!」と思ったあなたは要注意です。こういったことが続けば、そのうち「困ってもだれからも助けてもらえない」と無意識に考えるようになり、プレッシャーに耐えきれなくなりうつ病の症状が出始める人もいます。
典型的なうつ病の症状
- 気分が沈んでいる(特に午前中にひどく、午後から夕方にかけて改善されることが多い)
- 興味がわかず楽しめない(これまで楽しんでいたことを楽しめなくなる)
- 食欲が低下(増加)、体重が増減(何を食べてもおいしくなく、体重が1ヶ月で数キロ落ちてしまうケースも)
- 寝付けない、夜中や早朝に目が覚める(夜中や早朝に目が覚めその後眠れない。熟睡感が無く、体調が優れない)
- 動作や話し方が遅い。イライラしたり、落ち着きがない(体の動きが他人からみて明らかに遅くなったり、落ち着き無く歩き回るようなことも)
- 疲れを感じたり、気力がわかない(重く強い倦怠感を感じ、気力が低下。何もする気が起きなくなる)
- 自分に価値がない、または申し訳ないと感じる(自分を責めるあまり「自分はこの世からいなくなったほうがよい」と思い込むことも)
- 仕事や家事に集中したり、決断することができない(注意力、集中力が低下。仕事や家事が以前のように進まなくなったりする)
- この世から消えてしまいたいと思うことがある(自殺願望)
ちなみに上の一覧はうつ病の症状になります。こういった症状がすでに出ているのであれば(人間関係とか関係なく)それはもう”赤信号”です。(病院で一度、診断してもらってください)
保育士も教師とおなじように、一人で保育にあたることも多く精神的に孤立しがちです。そこで、主任や園長が「どうしたの?」と一言こえかけてくれるだけで、どれだけ心が楽になるか…。
逆に、この声がかからないどころか「あなたが悪いんでしょ!」「お金払ってるんだから仕事をさぼらないで!」というような、”つきなす職場(人間関係)”なのであれば、どうしても長く続けられないでしょうし、やめてしまっても仕方ないのでは思います。
保育園に転職するなら絶対に抑えておきたいポイント3つ
それでは「いまの園ではもう続けられない」と確信した場合、どうすればいいのでしょうか。
ここで重要なのはあなたは保育士としての仕事が好きかどうかです。もし、保育士の仕事が「好き」だというのであれば、このまま違う保育園に転職することをおススメします。
なかなか、自分で好きと言える仕事に巡り合えることって少ないです。だからこそ「自分の好きな仕事ってなんなのだろう…」と悩み、転職を繰り返してしまう人が世の中おおいのです。
なので、保育士の仕事が好きだといえるのであれば、ぜひ今の仕事を大切していただければと思います。
ですが、人によっては「一度働いてみたから分かったけど、わたしは保育士には向いてない」という人もいるでしょう。やっぱり仕事って一回、実際にやってみないとどうしても分かりませんからね。
もしあなたがそうなのであれば、早めに違う業界に転職されることをおススメします。保育士としての経験は他の業界ではあまり役に立たず、経験として認識してもらえませんので。(他業界への転職におススメなのはこちら⇒女性の利用者満足度1位!パソナキャリア )
では、あなたがこのまま保育士として働き続けたい場合、転職時にはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
転職した先が「また今と同じような保育園だった…」とならないためにも、必ず下記の3つのポイントをチェックしてから転職するようにしてください。
- 『求人情報』
- 『保育園見学』
- 『面接』
求人情報
始めに求人情報についてです。
常に求人を出しているところは当然のごとく気を付けなればなりません(常に人が辞めている証拠)が、他にも気を付けなければいけないのが給料の欄です。
たまに手当の欄が白紙で基本給のみが記載されているものがあります。書き忘れというわけでなく、初めから手当がないケースが多く、例え基本給が他よりも高めであっても無給残業が多いということも考えられます。
実際に、私が就職活動で見学に行った保育園にもそのような園が存在しました。その園で働く保育士さんとたまたま二人で少し話す時間があり、残業について聞いてみたら、実は毎日3時間は無給残業をしているのだとか…。
ですが、このように現場で働く保育士さんで包み隠さず話してくれる人は珍しいです。正直に話すことは保育園側の利益になりませんからね。
保育園によっては園の利益にならないことを話してはいけないと書面にサインさせているようなところもあります。そこでまずは、求人を見る際にはきちんと細かく、手当などが記載されているものをしっかり選ぶようにしましょう。
また、保育園の保育方針が記載されているかも重要ポイント。私たち保育士は保育園の保育方針にそって保育をするからです。保育方針が合わなければ園長や主任ともめることになり、人間関係のこじれの原因となります。
また、他の求人と全く同じありきたりなことしか書かれていないとなると、「それって本当なの?」と少し疑ったほうがいいかもしれませんね。
見学
次に保育園の見学です。
園が見学ができないところはもちろんアウトです。園内で見学希望者に見せられない何かを隠している証拠と考えられますので。
また、保育園見学における個人的なポイントは保育園の装飾です。「かわいい!」「装飾がいっぱいで素敵!」そういうところではなく、その装飾にはラミネート加工がなされているのかいないのかも重要なポイントです。
ラミネート加工がされていれば、また使いまわしができ、装飾を作る保育士の負担が軽減できるよう考えられています。もし、加工がされていなければ、毎回、装飾製作が保育士の負担になっている可能性も考えられます。
他にも、保育士の手作り装飾でなく、子どもたちの作品を飾ることで装飾製作の負担が軽減されていることもありますので、園内の装飾にもしっかりと目を向けるようにしましょう。
またもちろんですが、保育に入っている保育士の表情にもぜひ注目してください。事前に「今日は〇〇時から見学がきます」と伝えられていても、あまりに過酷な職場であれば、ところどころで保育士の表情から普段の様子を読み取ることができるかもしれません。
面接
そして最後の面接です。
民間会社が運営している保育園であれば、会社としての保育方針もあると思いますが、是非聞いてほしいのは、主任や園長側の保育方針です。
「求人情報」でも書きましたが、やっぱりここは重要です。なにを保育において大切にしているかはしっかりと聞いておくべきです。
もし、保育現場に直接関わらない人事が担当として出てきたなら、現場の本当の姿を理解していないことが多いので、可能であれば現場で働く保育士の話しを聞かせてもらえないか聞いてみましょう。
また、相手側の一方的な話しばかりで質問ができない、職員の残業を減らすための対策や手当等の内容についてはっきりしない答えが返ってくるようなところは転職するには止めておいた方がいいかと思います。
最近はニュースの報道なんかの影響で、広く「保育士の職場は大変」ということが知られています。そんな中、残業を減らすための対策や手当についてなんの返答も得られないのはちょっと不安が大きいかと思います。
保育園の転職におススメのサービスは?
以上、3つの面についてお話しいたしました。 是非ともこれを読んだ皆さんが、良い転職先と巡り合えますようにお祈りしています。
ちなみに保育園の転職先を探すのにおススメなのがこちら。
専任のコンサルタントがつき、全国で保育士求人を厳選して紹介してくれる【保育ひろば】です。
利用料はもちろん無料(転職時に施設側が手数料を支払うため)。保育園の見学日程の調整から、どうしても「気まずい…」と感じる内定にたいするお断りの連絡の代行、もめがちな退職までの一連の流れについてのアドバイスなんかもしてもらえます。
登録すればコンサルタントから電話がかかってきますので思いっきりいま抱えている悩みを打ち明けてみてください。別に悩みを相談した結果、転職しないという結論になったとして違約金はらったりする必要もありませんので。
保育園を「今、辞めるべきなのか…。それともまだ続けるべきか…」と悩んでいる保育士さんの参考になれば幸いです。