特別養護老人ホームの過酷な労働環境で「もう辞めたい…」
我が家は祖母が長いこと介護施設へ入所していましたので、介護施設の雰囲気には慣れてたつもりでした。
祖母は10年近く介護施設と病院を点々とし、色々な施設に面会に行きました。幽霊が出そうなくらい暗い施設もあれば、静かで最新式の設備が整っている明るい施設もありましたが、当時は自分が介護施設で働くことになるとは思ってもいませんでした。
私はホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)の資格を取得してから、就職活動を経て資格はあっても未経験でもOKな施設を探し、無事就職することができたのですが、私の遠い親戚で介護事業所でケアマネージャーをしている伯母からは、やんわりと働くのは無理じゃない?とは言われていました。
私の勤務し始めた施設は特別養護老人ホームで、ユニットケア方式の施設でしたので、利用料は少々高いものの、介護度4~5の両者10人グループを5人の介護士がお世話をしているのですが、5人は適切な数では決してありません。
朝は7時から10人全部を1時間で起床させ検温をし、朝のオムツを替え、着替えをさせ、全員を車イスに乗せ食堂に集合させます。それから全員の自前の食器に体調に合わせた食事を用意するといった風で、朝から何かトラブルがあるともう気が狂いそうになりますが、これを皆くぐり抜けてきたことだと言われれば、何も言えなくなります。
ただ忙しいだけなら慣れてしまえばいいのですが、私はまだ勤務して半年程度でもう気が滅入ってしまい、体重も3~4キロ痩せてしまいました。
給料は夜勤を入れても13~4万程度ですしボーナスは5万円、年収は1年間頑張って働いても150万にもなりません。
しかもリーダーや先輩に嫌われてしまったらしく、こまごましたことを教えて欲しいと頼んでもスルーされてしまったり、影でこそこそ「生意気でムカつく」など悪口を言われ、とうとう仕事中に倒れてしまいました。
その事がきっかけで介護の仕事は辞めてしまい、現在では元々の趣味を活かしてフリーランスで仕事をしていますが、こっちの方もそう儲かりはしないけれど、精神衛生的にはかなりラクでまるで天国です。
当時、唯一仲の良かった同僚は、これだけ重労働で低賃金なのにも関わらず「それでも介護の仕事が好き!」と言っていましたが、それでも過酷な労働環境のためか今は転職し、違う施設で働いています。
仕事内容は確かにきついものの、人間関係や給料面に関してはかなり改善されたようです。確かにいくら仕事内容が好きだったとしても、仕事自体がきつく給料も安く、人間関係まで悪かったとしたらさすがに続けるのは困難です。
同じような悩みを抱えている方がもしもいたら、労働条件の改善をもとめてぜひ転職されることをオススメします。