「年収低くて仕事辞めたい」という人が知るべき必要な年収額
転職理由は色々ありますが、「年収が低いから」という人は多いのではないでしょうか。
昔は右肩上がりで年収アップが期待できたのに、今はなかなか上がりません。 特に、これから子供ができたり、マイホーム購入を考えている人は、今の会社の収入でやっていけるのか不安になってしまうと思います。
子育てとマイホームにはお金がたくさん必要ということはご存知だと思いますが、実際どのくらいの年収があればそれらを実現することができるでしょうか。 ライフスタイルに合った年収を知って、本当に転職した方がいいのか考えてみましょう。
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子供に必要な「学校」のお金って?
まず、子供ができた場合にどのくらいの年収が必要なのか考えてみました。幼稚園から大学まで、公立と私立でかかる金額は以下の通りです。 この金額には入学金、授業料の他、塾や習い事の費用も含まれています。
- 幼稚園(3年) 公立: 690,300円 私立:1,462,281円
- 小学校(6年) 公立:1,834,842円 私立:8,534,142円
- 中学校(3年) 公立:1,351,020円 私立:3,885,468円
- 高校(3年) 公立:1,159,317円 私立:2,900,448円
- 大学(4年) 国公立:5,112,000円 私立文系:6,923,000円 私立理系:7,875,000円
参照:【幼稚園~高校】「子供の学習費調査」の結果について(文部科学省)
参照:【大学】教育費負担の実態調査結果(日本政策金融公庫)
このデータによると、幼稚園から大学まで全て公立に通うと全部で10,147,479円(約1000万円)かかります。
また、全て私立に通うと、文系は23,705,339円(約2370万円)、理系は24,657,339円(約2460万円)かかります。
子供を大学まで行かせるためには最低でも1000万円は必要、ということになります。 医学部や、大学院進学、下宿などをする場合にはもちろんもっと必要になります。
全て公立の場合
必要な教育費約1000万円を、子供ができてからの22年間の収入から捻出するとしますと、1000万円÷22年=約45万円/年となります。
もちろん、教育費の負担は年ごとに異なりますが、平均で年間45万円を教育費に充てる必要があります。 これは、年収300万円(扶養2人)の人の手取り約250万円の18%に相当します。
同じく、年収500万円の場合は手取りの11.2%、年収1000万円の場合は手取りの5.8%に相当します。 年収アップが見込めなくても、手取りのうち、このくらいの割合を教育費に充てることができるのなら、大学まで卒業させることができるでしょう。
特にお金がかかるのは大学の時なので、大学入学までにはある程度まとまった金額を出せるように準備しておく必要があります。
なので子供が小さいうちは積極的に貯めていきましょう。 児童手当を貰える家庭は、それを貯めるだけで200万円くらいになります。
公立大学の入学金+初年度の在学費用が合計190万円くらいなので、ここで有効に利用するのもいいでしょう。
全て私立(理系)の場合
公立と同様に、約2460万円を22年間で捻出するとします。 2460万円÷22年=約111万円/年 平均で年間約111万円を教育費に充てる必要があります。
これは、年収300万円(扶養2人)の手取りの44.4%に相当します。 同じく、年収500万円の場合は手取りの27%、年収1000万円の場合は手取りの14.5%に相当します。
数字を見る限り、全て私立に通うにはかなり負担が大きいことが分かります。
では、実際に私立に通っている生徒の家庭の年収はどのくらいなのでしょうか。 総務省のデータをもとに考察しました。
- 【私立幼稚園】公立幼稚園よりも高年収の家庭の割合が若干多いですが、そこまで大きな差はありません。
- 【私立小学校】年収1200万円以上の家庭が44.7%を占めており、年収1000万円以上も合わせると61.2%になります。 年収が低くなる程割合は少なくなっていき、年収600万円未満の家庭は10.2%です。
- 【私立中学校】年収1200万円以上の家庭が35.1%を占めており、年収1000万円以上も合わせると52.8%になります。 年収の高さと構成比はやや相関があり、年収600万円未満の家庭は12.5%です。
- 【私立高校】公立よりも高年収の家庭の割合が多くなります。 しかし、小学校・中学校程の偏りはありません。 年収600万円未満の家庭は34.7%を占め、年収400万円未満の家庭だけでも16.1%になります。
参照:世帯の年間収入段階別,項目別経費の構成比 学習費総額(総務省)
教育費が特に高くなる私立小学校と私立中学校は、高年収の家庭の割合が明らかに高くなります。 年収が低いと全て私立に行かせるのは難しいかもしれませんが、しっかり資金計画を立てれば「高校から私立」「中学だけは私立」というのは不可能ではないと思います。
「子供一人、収入から教育費を捻出」という前提で計算してきましたが、各家庭によって事情は様々だと思います。
年収が低くても、貯蓄がたくさんあったり祖父母から教育費の援助が期待できるなどの場合は余裕を持って私立に通うことができると思いますし、年収が高くても子供が2人以上いたり、平均以上に習い事にお金をかければ余裕が無くなってしまうかもしれません。
年収や今後の家族計画を考えながら、進学プランを考えて計画的に資金を準備しましょう。
子育てしながらマイホームを購入するために必要な年収は?
次に、子育てをしながらマイホームを購入する場合、どのくらいの年収が必要なのか考えてみました。
分かりやすくするために、「頭金なし、ボーナス払いなし、固定金利1.53%、35年ローン」を組む場合で考えてみます。 (参照:フラット35 住宅金融支援機構)
また、ローンを組むには総返済負担率(年収に対する返済金額の割合)の条件があります。 「フラット35」では、年収400万円未満の人は総返済負担率が30%以下、年収400万円以上の人は35%以下と条件が設定されています。
以上の条件で3000万円借り入れる場合、毎月の負担額は9.2万円(年間約110万円)です。 総返済負担率を計算すると、年収367万円以上の人がこのローンを組むことができます。
同じく5000万円借り入れる場合は、毎月の負担額は15.4万円(年間約185万円)です。 総返済負担率を計算すると、年収529万円以上の人がこのローンを組むことができます。
しかし、この総返済負担率の条件はローンが借りられる上限値となるので、実際には総返済負担率をもっと低くする必要があります。
借りられる額と、余裕をもって返済できる額は違います。 子供がいると教育費もかかりますから、さらに余裕を持ちたいところです。
世帯年収に占める住宅ローン返済額と在学費用の合計の割合は、平均で29.5%となっており、半数以上が30%未満です。 一方、国の教育ローンを利用する世帯は、平均36.8%と高くなっています。 (参照:教育費負担の実態調査結果)(日本政策金融公庫)
このデータから、余裕をもって子育てとマイホーム購入を行うには住宅ローン返済額と在学費用の合計を年収の30%未満にすることが重要と言えるでしょう。
その条件で3000万円のローンを組むにはどのくらいの年収が必要かを計算してみましょう。 全て公立に通うとすると、在学費は平均年間45万円です。
3000万円借り入れる場合、負担額は年間約110万円なので、合計は155万円です。 155万円を年収の29.5%に収める場合、年収は526万円以上必要ということになります。
もちろん、もっと年収の低い人でも、借入額を調節したり、頭金や金利などの条件によっては余裕をもってローンを組むことができると思います。
それぞれの状況に応じて、教育費と住宅ローンの返済額が年収に対して妥当なのか、シミュレーションしておきましょう。
「今の年収ではお金が足りない!」と分かったら?
ここまで、ライフスタイル別でみた必要な年収についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。こちらのページを機会に、一度どれぐらいの年収が必要なのか真剣に考えてみてくださいね。
そしてもし「自分の年収が希望に沿った人生を送れない!」となった場合、どうすればいいのでしょうか?考えられる道は2つです。
先ず一つ目が「今の会社で年収アップをはかる」という場合、2つ目が「転職」ですが、おススメなのは「両方やってみる」ことでしょうか。
今の会社に対して年収アップ交渉を行い、年収が上がるのであれば転職でも年収アップできる可能性が高いです。それだけ企業にとって貴重な人材ということですからね。
そして、どちらの方がより多く年収アップできるかなんてやってみないと分かりません。また、年収アップ交渉をすることで「それならあなた何ていらない」と、万が一企業側ときまずい関係になってしまったときの保険としても役に立ちます。
どちらにせよ、先ずは働きながら求人情報集めから始めなければなりませんが、そこでおすすめなのが転職エージェントのDODAでしょうか。
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「年収が低くて仕事を辞めたい…」という方の参考になれば幸いです。